シングルマザー奮闘記 ~高校に行ってもいいの?~

【読み物】子育て成功ストーリー

ストーリー紹介:シングルマザー真由美さん(仮名)の物語

この物語はフィクションです。登場する人物、地名、団体、事件などはすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。また、登場人物の名前や設定は偶然の一致であり、特定の個人や団体を意図して描写したものではありません。本作品の内容については、読者ご自身の判断でお楽しみください。

ストーリー紹介

今回のお話の主人公は34歳のシングルマザー、真由美さん。
離婚後の新たな生活を描いたリアルで心温まるストーリーです。
小学生の息子二人と共に、日々の困難を乗り越えながら前向きに生きる彼女の姿は、同じシングルマザーに頑張る勇気を与えてくれるかもしれません。

真由美さんは、シングルマザーとしてフルタイムで働きながら、子どもたちとの時間を大切にし、家族の絆を深めるために奮闘します。
学校での問題や仕事のストレス、経済的なプレッシャーに直面しながらも、少しずつ前に進んでいく彼女の姿に、あなたも共感できるかもしれません。

泣いたり、笑ったりしながら、真由美さんが愛する息子たちのために頑張る姿はあなたと重なるところがあるのではないでしょうか?
母として、そして一人の女性として成長する真由美さんの物語は、家族愛と自己成長の重要性を教えてくれるかのようです。

この物語は、日常の中にある小さな幸せや大きな挑戦に気づかせてくれる物語です。

第一章: 想像以上に大変なシングルマザーの生活

私は34歳のシングルマザーで真由美と言います。
1年前に離婚して、小学生の息子二人と3人で暮らしています。

ある春の日。
窓から差し込む日の光の中、私は慌ただしく朝食の準備をしていました。
キッチンから漂うトーストの香りに誘われるように、4年生の翔太と1年生の誠があくびをしながらリビングに現れました。

「おはよう、翔太、誠。ご飯できてるよ~」私が声をかけると、

長男の翔太はまだまだ夢の中…。
目を擦りながらボーっとしています。
次男の誠は「お腹減った~!」と勢いよくトーストにかぶりついています。

朝食を終え、ランドセルを背負っている子どもたち。
「時間割ちゃんとやってる?忘れ物はない?」
「ないよ~!行ってきま~す!」
子供たちが元気に登校すると、さぁ、ここからは私の時間です。
出勤の準備をしなければなりません。
メイクもそこそこに、会社へ向かいます。

仕事は地元の会社で事務の仕事をしています。
正社員にはなれず、しばらくは契約社員と言う形で職に就きました。

お昼休みご飯を食べようとした時、「はぁ~」と思わず深いため息をついてしまいました。
離婚前は、週に3回、4時間程度、近所のスーパーで働いていました。

離婚後、年齢的にも体力的にも辛いと思い、少しパソコン操作が出来たので、事務職を選びました。
しかし、仕事と子育ての両立は苦しく、シングルマザーとしての日々は、私にとって想像以上に大変だったのです。
さらにシングルマザーになってからは、全ての責任が自分にのしかかってくるため、あまりの重圧に夜、訳も分からず、苦しくなったり、涙が出たりする時がありました。

そんなある日、仕事が終わってすぐ、翔太の担任から電話がありました。
「翔太くんが年下の子とばかり遊んでいて、同級生との交流が少ないんです。お自宅では何か変わったことは無いですか?」
という問いかけに、私はそれの何が問題なのかわからず、
「そうなんですか?弟がいるからですかね?」
とあまり問題視せずに答え、電話を切りました。

自宅までの道のりで、
「でも何か問題があるから、わざわざ電話があったんだよね…」と考えだし、帰宅後心配になり、夕食の準備をしながら私は翔太の様子を気にしてみていました。
やっぱり特に、いつもと変わらないと思うけど…
一人で悩んでいても答えが出ないので、私は学生時代からの親友、美咲に相談にのってもらうことにしました。

その日は、翔太に何も言わず、楽しくアニメの話をしながら3人で夕食を取りました。

第二章: 一人で考えると不安に押しつぶされそう

週末、子どもたちを隣町の両親に預け、私は親友の美咲にカフェで相談をしました。
ラテの香りが漂う中、私は溜まっていた思いを吐き出しました。

「翔太のこと、何か深刻なことだったらどうしようって。考え出したら怖くなって…」
話していると感情が邪魔して、うまく話せない。それでも美咲は私を励ましながら話を聞いてくれた。

私は話すたびに声が震えて涙が出てくるのを必死に止めようとしたけど止まらず、それでも必死で美咲に担任からの電話の内容や、自分の考えを話しました。

「真由美!まずは翔太くんに聞いてみよう!
案外、真由美が不安に思っているような重い問題じゃないかもしれないでしょ?
だからまずは翔太くんに話を聞いてみてよ。
何も無ければそれでいいし、何かあったら解決してあげられるでしょ!

美咲のアドバイスに泣きながら頷く。
「真由美はちゃんとやれるから大丈夫!何かあったら、私も協力するから!」
と力強い言葉と共に美咲は私を「大丈夫よ~」と抱きしめた。

美咲と別れた私は下の誠を両親に預け、翔太と二人きりになれる時間を作った。
そして学校での様子を聞いてみた。

「翔太に聞いてみたいことがあるんだけど…クラスで仲のいいお友達はいるの?」
やんわり聞いてみた。

「クラスにはいないかな~、仲がいいお友達は陸くんだよ!」
翔太の学校は1学年1クラスなので、クラスにお友達がいないとなると、学年が違うと言うことになる。

「でも、長い時間を過ごすのは同じクラスの子なのにお友達がいないの?」
私がそういうと、翔太はモゴモゴとなって、

「あのね…、クラスの人と話すの、あまり好きじゃない…」

翔太の目には今にも零れ落ちそうな涙が。
何が好きじゃないのかは言ってくれない翔太に強く聞き出すことはやめました。
その小さな告白に、私は我が子の不安を初めて知った気がしました。

第三章: 子供たちとの時間が優先

夕飯を食べた後はいつもすぐに洗い物をしていたのですが、その日から、食後は「子どもたちと話をする時間」にしました。
翔太や誠に学校や学童での出来事を毎日聞くことにしたんです。
美咲にアドバイスされたように、何でも聞いてみなくちゃわからない。
まずは、出来るだけ問い詰める形にならないように、

「今日は学校で何したの~?」
「勉強でわからないところはある?」
「今日はどんなことを習ったの?」

何気ない会話をきっかけに、下の誠が元気よく答え、それにつられて翔太も学校や学童での生活を話してくれるようになりました。

もしかしていじめにあって苦しんでいるのかも?
もしかして授業についていけずに困っているのかも?

そう思い、担任の先生に相談し、学校の様子を聞いたり、親子で参加できる行事は必ず出席することにしました。今まで仕事を休むことに罪悪感を感じていたのですが、思い切って上司に相談すると、

「今が一番大変な時。気にせずに休んでいいよ!
有給も使えるものは何でも使って、息子ちゃん落ち着くまで頑張って!」と逆に励まされてしまい、悩んでいた時間がもったいないと思ったくらいです。

週末には近所の公園で開かれる地元の住人で行われるイベントに3人で参加しました。
最初は緊張気味だった翔太は、徐々に同年代の子供たちとも会話を楽しむ姿が見られるようになりました。

「一歩ずつでも、ちゃんと前に進んでるね。よかった」
私は翔太の変化が嬉しくて、笑顔の翔太を見ながら鼻の奥がツーンとなりました。

第四章: 正しい選択

仕事と子育ての両立は、相変わらず大変でした。
翔太のことが落ちついてしばらくたった日。
私は極度の疲れを感じ、職場でめまいを起こし、意識を失ってしまいました。
緊急連絡先の実家へ連絡が入り、私が病院のベッドで目を覚ました時、父と母が心配そうにのぞき込んでいました。

離婚してからと言うもの、子どもたちをきちんと育てなくてはいけない。
家事もしなきゃ、自分のスキルアップもやりたい!
給料が少ない。これじゃまたカードの支払いに追われてしまう…

生活は思った通りには行かないし、家計のことも、仕事のことも、子どもたちの将来のことも。
一気にのしかかってきたストレスに、わたしの身体は限界に達していたようでした。

今の現状を変えなくてはいけない。このままじゃダメ。
私は決意を固めました。
退院後、私たちは隣町の実家に戻り、両親の力を借りて生活を見直すことに決めました。

美咲や学校の先生、学童の先生などにも助言をもらいながら、できるだけ子供たちとの時間を増やしたい。
子どもたちを中心とした生活を私は選びました。

新しい生活リズムを作るのは簡単ではないですが、子供たちの笑顔を見るたびに、私はこれが正しい選択だったと確信しました

第五章: 家族の絆が深まった

実家に戻った私は、最優先で子供たちとの時間を大切にするようにしました。
車を購入し、子どもたちの学校は変えずに、そのまま隣町から車で通学することにしました。

車内では毎日、翔太と誠が学校であった出来事を楽しそうに話してくれます。

職場では残業のない部署に変えてもらい、定時で帰れるようにしてもらいました。
ダメもとで言ったことでしたが、言って見るもんだな。と思い、そして理解のある職場で本当に良かった!と感謝しました。

翔太はクラスメイトと話せるようになりました。
これは後から知ったのですが、実は、クラスメイトに毎日のように「お父さん」の話する子が中心のグループがあったらしく、その子たちは全く悪気が無かったのですが、父親がいなくなった翔太は羨ましく、悲しい気持ちになっていたそうです。

このことを翔太は、言うと私が悲しむと思い、当時は言えなかったそうです。
聞いたときは我が子の優しさに、自分の不甲斐なさに涙が出ました。

休日にはおじいちゃん、おばあちゃんも参加して、家族でピクニックに出かけたり、一緒に料理を楽しんだりしました。

毎日、笑い声の絶えない家族にしたい!
父親はいなくなったけど、この子たちには明るく楽しい毎日を送ってもらいたい!
私は、日に日に深まっていく家族の絆に胸が温かくなるのを感じていました。

第6章: 子どもたちの成長

あれから、2年の月日が流れました。
翔太は中学1年生に、誠は小学4年生になりました。
子どもたちの成長とともに、新たな課題が次々と現れましたが、私たちは家族の絆で乗り越えていきました。

ある日、翔太が不安そうな顔で帰ってきました。
「お母さん、今日、進路指導の時間があったんだけど…」

私は翔太の肩に手を置きました。
「どうしたの?話してみて。」

翔太はとまどいがちに話し始めました。
「俺、高校に行ってもいいの?お金足りないんだよね?」

私は深呼吸をして、優しく言いました。
「翔太、お母さんはね、あなたたちのために頑張るのが楽しいの。いつもお金足りない!ってるのは、あなたたちの学費を貯めてるから。だから、もちろん翔太は高校に行くことが出来るよ!」

「大丈夫!翔太は自分の夢に向かって頑張ればいい。お金のことはひとまず置いておこう!今は心配しなくても大丈夫!」

翔太の目に涙が浮かびました。
「でも、お母さん一人で大変でしょ?」

私は翔太を抱きしめました。
「もう…あのね、あなたたちにいろいろとやってあげられることが、お母さんの幸せなの。だから、翔太は高校に行ってもいいんだよ。お母さんも翔太が高校の制服着てるところ見たい!」

その会話をきっかけに、私たち家族は将来について話し合う機会が増えました。
誠も自分の夢を語り始め「兄ちゃんと一緒に勉強する!」と大張り切りです。

ニコニコと「実は、小学校の先生になりたい!」と話す翔太やプロの折り紙師になると不思議な夢を語る誠が二人とも楽しそうに話している姿を見ると、「ああ、きちんと将来の話が家族で出来て良かった」と思いました。

第7章: 新たな挑戦

夢に向かって動き出した二人の息子に私も負けてはいられません。

仕事面で、何か収入を増やすことが出来ないか?と私は新たな挑戦を始めました。
職場で、働く母親向けのサポートプログラム企画の話が出た時でした。

上司から嬉しい話がありました。
プロジェクトメンバーの選考一覧に入れている。
そろそろ子どもたちも大きくなったので、責任は少し重くなるけど、ボチボチ正社員として働いてみては?と。

私にも転機が訪れたんです。私は「是非に」と上司に伝えました。
子育ての経験を活かして企画書も出しました。
「素晴らしいアイデアですね。やっぱり真由美さんにたのんでよかった」と言ってもらえました。

プロジェクトを進める中で、同じようにシングルマザーとして頑張っている同僚の佐藤さんと親しくなりました。
佐藤さんには高校生の娘さんがいて、私は少し先を行く先輩を見つけたようで、とても頼りになります。

「真由美さん、このプロジェクト、私たちなら絶対うまくやれるわ!利用者に喜んでもらえるように頑張りましょう!」という佐藤さんに「はい!必ず成功させましょう!私の経験が誰かの役に立つのなら嬉しいです。」と張り切って答えました。

ある日、同じ課の課長でプロジェクトチームの唯一の男性メンバーである佐々木さんが
「真由美さんって休みの日は何してるんですか?お子さんと遊びに行ったりするの?」と声をかけてきました。

「そうですね、この間は息子の受験勉強に息抜きに釣りに行きましたよ。」と言うと、
「わぁ~釣り、いいなぁ…それ、次回は私も呼んでくださいよ~」と返事が返ってきました。

その言葉に、私は少しトキメいちゃったりしましたが、すぐに「私よりも5つも年下の彼とどうなれるわけでもないか…ハハハ…」と思い直しました。

長い間、子どものことばかり考えて、恋愛とは縁遠い生活を送っていたので、佐々木さんの人懐っこい優しい笑顔を見ていると、わずかな可能性を夢見てしまいそうな自分に、あきれてしまいました。

「はい、はい、次回があったら呼びますね~」
と冗談めいて答える私に、「絶対ですよ~!」と言う佐々木さん。
ホント…どこまで本気で言っているのやら…と思いながらも、そうなったらいいなとも思っている自分がいました。

最終章: 希望に満ちた未来へ

季節は移り変わり、秋の訪れを感じる頃、私たち家族は公園でピクニックを楽しんでいました。

金色に輝く大きな木の下、中学2年生の翔太は高校受験の参考書を開いていました。
小学5年生の誠はラジコンを走らせながら元気よく言いました。
「僕も負けないよ!将来はエンジニアになるんだ!」
「そっか~誠君はエンジニアになるのかぁ~!」と佐々木さん。

実は佐々木さんが事あるたびに、「週末はどこか行くんですか~?」と聞いて来るので、出かけることを伝えると、本当に着いて来るようになったのは少し前から。

「働く母親向けのサポートプログラム企画」は会社の満足いくレベルで実行でき、佐藤さんと私は平社員からチーフに昇給しました。
今はそれぞれのプロジェクトチームを持ち、頑張っています。

佐々木さんは、別の部署に異動になったので、同じチームにはいないのですが、プレジェクトによって一緒に行動したりしています。
二人の関係は今後どうなるかは、まだわかりません。
私は空を見上げたあと、翔太の勉強を見てあげたり、誠とラジコンで遊んでいる佐々木さんをみながら、胸がいっぱいになりました。

『ああ…何か私、幸せだなぁ~』

お日様が傾きだした夕方、私たちは佐々木さんと別れ、笑顔で話しながら、家路につきました。
秋の夕暮れに染まる空を見上げながら、私はこれまでのことを思い出していました。

離婚してからの日々、想像以上に大変なことばかりでした。
不安で眠れない夜、経済的な苦労、子育ての悩み…。
でも、そのすべてが今の私たちを作り上げてくれたのだと思います。

「ねえ、翔太、誠」私は子どもたちに呼びかけました。
「お母さん、みんなで一緒に頑張ってこれて本当に幸せよ。これからも楽しい思い出をたくさん作っていこうね。」

その夜、日記を書きながら、私はいつのまにか微笑んでいました。

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今日もまた、幸せな一日だった。子どもたちの成長を見ていると、胸がいっぱいになる。
仕事も充実している。

振り返れば、本当に色々なことがあったなぁ。
でも、今は子どもたちと一緒に、毎日を楽しんで生きていける。
これからも、一歩一歩、希望に向かって歩んでいこう。

私たちの未来は、きっと輝いている。

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日記を閉じ、窓の外を見ると、満天の星空が広がっていました。
その光に照らされて、私は静かに誓いました。
これからも、子どもたちと共に成長し続けよう。
そして、私たちの夢と希望を、しっかりと掴んでいこう。

明日もきっと楽しい一日が始まる。
そう思うと、胸が高鳴りました。
私は深呼吸をして、穏やかな気持ちで眠りにつきました。
夢の中で見たのは、楽しそうに笑う希望に満ちた私たち家族の未来でした。

もしかしたらあなたも、真由美さんのように悲しくて、苦しい思いをしているかもしれません。
子どもが成長するにつれて、不安がどんどん大きくなってくると思います。

どのくらい稼ぐと、子どもを高校へ通わせられるの?
学校での様子がわからないから不安。
うちの子きちんと学校生活送っていけてるの?
いじめられてない?いじめてない?大丈夫?

私は子どもの進学にどのくらいの費用がかかるのか、果たして払っていけるのか?とお金に関する不安が一番だった気もします。

終ってしまえば「何とかなった。よかった」と簡単に言えるのですが、現在進行形の時は、夜中にこれから先のことを考えだして、目の前に迫る恐怖や不安に涙が止まらなくなる時もあったくらい、ほんとに辛いです。

今頑張っているあなたに、絶対に幸せな未来が待っているから、それまで頑張って行きましょう!
ちゃんとゴールはあります!
もしかしたら、真由美さんのように新しい出会いが待っているかもしれませんしね!

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